インフルエンザ
みなさまの参考になればと思って調べたものをまとめております。病状は個人によって違いますので、必ずお医者さんにかかって治療を進めて下さい。 また、十分気をつけてまとめましたが、間違った情報や最新情報などがありましたらご連絡をお願い致します。 (当ページは子供に偏って編集されていますので、詳しいインフルエンザ情報について知りたい方は左の項目から参照したページ先をご覧になって下さい。)
1.インフルエンザウイルスについて
原因となっているインフルエンザウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類されます。 現在、ヒトの世界で広く流行しているのは、A/H1N1亜型ウイルス(ソ連型)、A/H3N2亜型ウイルス(香港型)、B型ウイルスの3種類ですが、症状や治療、予防法には大きな違いはありません(治療薬は型により異なることがあります)
それぞれの型、あるいは亜型に対する免疫反応(抵抗力)は別のものですので、同じシーズンの中で複数流行した場合には、A型インフルエンザにかかったあとB型インフルエンザにかかったり、同じA型でもソ連型の後に香港型が流行するとすれば、かかる可能性があります。
インフルエンザウイルスとは?
インフルエンザウイルスは、直径1万分の1ミリ(100nm)の多形性のオルソミクソウイルス科のRNAウイルスです。ウイルスは細菌とは異なり、生きた細胞の中でしか増殖できないため、インフルエンザウイルスは空気中や土壌中などの環境中では増殖しません。インフルエンザウイルスがヒトに感染した場合は、鼻腔や咽頭粘膜表面に吸着し、細胞に取り込まれて増殖します。そののちに細胞から切り離され細胞外へ放出されます。
インフルエンザウイルスは、核蛋白(NP)と膜蛋白(M)の抗原性に基づいて、A,B,C型の3つに大別されます。A型はさらに、ウイルス粒子表面のHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)という糖蛋白により、多くの亜型に分けられます。B型も同様の糖蛋白を持っていますが、1つの亜型しかありませんし、C型はウイルス粒子表面にHE(ヘマグルチニンエステラーゼ)と呼ばれるひとつの糖蛋白しか持っておらず、やはり1つの亜型しかありません。
大分類 | 亜型 | 自然宿主 | |
インフルエンザウイルス | A型 | HA〔Hと表記〕の16種類とNA〔Nと表記〕の9種類を組み合わせた数だけあり、現在ヒトに感染するのはその中の4種類。 また同じ亜種でも常に細かな変化がある。 |
ヒトを含むほ乳類や鳥類に広く分布し、水禽類、特にカモ(HAとNAの組み合わせ全てが見つかっている)が自然宿主と考えられています。 |
B型 | 遺伝子が安定しており、HA, NAはそれぞれ1種類で1つの亜型の組み合わせしかない。 | 主にヒト | |
C型 | 遺伝子はほとんど変化せず、HE(ヘマグルチニンエステラーゼ)しか持っておらず1つの亜型しかない。 | 主にヒト |
インフルエンザウイルスの種類と特徴
A型は上述のマイナーチェンジを続けながら数年から数十年単位で流行が続きますが、突然まったく別の亜型に取って代わることがあります。新型インフルエンザウイルスの出現です。1918年に始まったスペイン型(H1N1)は39年間続き、1957年からはアジア型(H2N2)に代わり、流行は11年続きました。その後1968年には香港型(H3N2) が現われ、ついで1977年ソ連型(H1N1)が加わりました。
現在はA型であるH3N2(香港型)とH1N1(ソ連型)、およびB型1種の、計3種のインフルエンザウイルスが世界中で共通した流行株となっており、すでにA/香港型(H3N2)が38年、A/ソ連型(H1N1)が29年連続している状況では、これまでのインフルエンザの変化の歴史からみて、いつ新型に置き換わってもおかしくない状況となっています。
ウイルス の型 |
性質 | 特徴 | 抗ウイルス薬 |
A型 | 変異しやすい | 変異しやすく、毎年流行がある。大きく型が変異するとパンデミック(世界的に流行)となるのもこの型。 | 塩酸アマンタジン (商品名シンメトレル)、 リン酸オセルタミブル (商品名タミフル)、 ザナミビル水和物 (商品名リレンザ) |
B型 | 変異しにくい | 散発的に小流行を繰り返します。(最近は2年に1度の流行) | リン酸オセルタミブル (商品名タミフル)、 ザナミビル水和物 (商品名リレンザ) |
C型 | 変異しにくい | 人に感染するものの風邪程度で済み、大きな流行にはならない。 小児期に感染するが、変異がほとんど無いので免疫がほぼ一生続く。 |